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武勇への召集 - The Call to Valor
2019.05.02 取得
出典: UO公式
https://uo.com/2019/05/02/call-to-valor/

By EM Malachi

傷ひとつない石には金色の剣が嵌め込まれていた。サー・サイモンは真新しい神殿の中心に据えられた大理石の位置を、職人が修正するのをじっと見ていた。「ここで武勇の神殿を守り、維持するのは至難の業になるでしょう。なぜ、あなたがサーペンツ・ホールドのあるディード島を選ばなかったのか疑問に思います。そうすれば要塞を守る騎士たちが、夜を徹してここに立っていたでしょうに。」

若き王は首を振った。「シルバー・サーペンツの騎士団には感謝している。しかし、私は神殿を軍事力を誇示する道具にはしたくないのだ。武勇とは弱き者を守る使命であり、武力のことではない。ここは勇気の体現者たちが集う場所になるだろう。武勇とは巡礼に等しく、向かうまでに努力を要するものなのだから。」

*****

カビと腐敗物が神殿の周囲の草木を覆い隠し、空気は憎悪に満ちた魔法に軋んだ音をたてた。ランキンは武勇のルーンの周りに配置した、記号が刻まれた黒ずんだ銀色の彫刻の位置を調整した。

「お前はこの遺跡をものにすれば凄まじい力を手に入れられると言ったな。だがお前はここを死の島にしただけではないか。」フックは言い放った。海賊王が怒りに任せて蹴った石が神殿に当たった。

「これには時間がかかると言ったはずだ。神殿に元から備わる浄化のパワーに阻まれてはいるが、このルーンがあればいずれ私は勝つ。」

*****

年老いた騎士が震える手足を引きずりながら神殿へと歩を進めていたのは夜明け前のことであった。言葉を紡ぐ前に彼はしばし沈黙した。「ここへ来ることを誓ったのはまるで一生涯前のことのようだ。私が最後に仕えた領主は騎士の称号をずいぶん前に与えられたが、私の功績など知る者はないだろう。私にはもはや戦う力は残っていないが、どうしてこの生き方を変えられようか。」

騎士は剣を抜いたが、それは力なく手から地面に滑り落ちた。泣きそうになりながら、彼はゆっくりと剣を取り戻そうと屈んだが、彼の震える手が近付くと、剣は地面へと潜り込んで行くのであった。それが完全に見えなくなると、そこには小さな赤い花が朝日に照らされて咲いているのだった。

年老いた騎士は頭を垂れ、囁いた。「ありがとう。」

*****

若き海賊は布を顔に巻きつけ、神殿付近の朽ちた木々を払いのけていた。汚染された空気を吸った者たちは、皆程なくして病気になってしまうのだ。ジャーシルは怪しげな儀式の副産物である塵に、この地が覆われているのが我慢ならなかった。ここは騎士と勇者のための地であり、病害や呪詛の巣窟ではなかったはずだ。

彼が子どもの頃、彼の母親は騎士道や大きな戦について彼に話して聞かせた。それはジャーシルにニュジェルムのスラムの貧困よりも多くを望んでいいのだと教えた。汚いズボンと傍らに置かれたカトラスを見て、若き海賊は母親が今の自分を見たらどんなにか悲しむだろうかとふと思った。もう何年も前、故郷の島を後にした時、殺人者や、オークや、ネクロマンサーたちと手を組み航海することになろうとは、ジャーシル自身思いもしなかった。

木々の間から落ちる夕陽に、神殿の近くにある何かが反射して光った。ジャーシルは近付き、そこに錆びるに任せたままの剣が落ちているのを見つけた。その刃には、“弱き者を守れ“と刻まれていた。ジャーシルは剣を手に取り、その重さを感じた。それは思いのほか重く、しかし彼の手にしっくりと馴染むのだった。もう一方の手で彼は手入れの悪いカトラスを抜き、地面に投げ捨てた。

ルーンの周りに配置された銀色の彫刻を粉々にし、新生騎士は母に会いに行こうと思い立つのだった。

この記事は、米国公式のニュースをFacebookで日本語に翻訳して掲載している「広田 剣」のページを引用しています。

引用元のページは こちら からご確認いただけます。

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